2022-03-31 #727-740 物体の・・・ 関西花の寺25ケ所 第6番 隆国寺 <義母の短歌> 物体のごとく伸びいる脚四本工夫は午を深く眠れり 被写体となりて砂丘に立つ駱駝燥けるまなこの視線を逸らす 観光バスに調子外れの歌唱う男の心本日晴天 地の窪みに残る雨水濁りいてそこを世界と遊ぶ水蜘蛛 垂乳根の胎内にいるやすらぎに視界狭めて畑にくぐまる 凡庸に過ぐるがひとりの保身術心平らに畑打ちて足る 酔う人の足に程よき月明かり濁声ともに影吸われゆく ひと日経て死者の瞼の濃き翳り斯くて釘打つ終焉は来る 娘の来りひと刻愉しむ厨ごと女に還るガスの火燃ゆる 何喰わぬ貌もて生きる七十歳夜叉も仏も身に棲まわせて 目を凝らす闇にうつそみ抜けいでて紡徨う魂か蛍光妖し 手袋の指先ひと日に破けたる欺く脆きものを軍手と呼べり ボロ切れになるとも土に還れざる鍬にかかりしビニールとべり 人群れを吐き出すラッシュのバス停に夕餉気にする主婦等の早口 <管理人のおまけ> 駱駝(らくだ) 燥(かわ)ける 逸(そら)す 凡庸(ぼんよう) 翳(かげ)り 斯(か)くて 厨(くりや) うつそみ・・この世のひと 紡徨(さまよ)う 妖(あや)し 欺(あざむ)く 欺(もろ)く <管理人のつぶやき> ■近江高 よく頑張った 桐蔭強い