義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

741-750 焼石にも・・・

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関西花の寺25ケ所 第6番 隆国寺

 

<義母の短歌>

    焼石にも水沁むときのあらんかと衰へ知らぬ雑草に挑む


    水槽に額押しつける髭男魚の頬桁が笑ったような


    六月の厨明るしほつねんと乾きがちなる俎の影


    湯上がりのビールに重き瞼閉ず晒す胸処に出ずる泪は


    なぐさめて欲しなど露も思わざり爪に染む泥無心に洗う


    こころ処を探り給うな澱みなく澄むなど吾れも夢思わなくて


    脱穀機打ち捨てられて幾とせか浮世の風の大方を知る


    昼暗き藪に真竹の折れる音陰に籠りて他界のごとし


    青空のいずくか裂けて降り出ずる雨詫ぶるがに土に滲みゆく 


    猫飼わぬ吾が床下に恋猫の憚からぬ声恐れいります

 

<管理人のおまけ>

沁(し)む

頬桁(ほおげた)・・口

ほつねんと・・ぽつねんと?

胸処(むなど)

大方(おおかた)・・ほとんど

詫(わ)ぶる・・寂しく思う

憚(はば)からぬ

 

<管理人のつぶやき>

ウクライナ 明日は日本とならないか そんな保証がどこにあるのか