義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#713-726 こと切れし・・・

手製の松本みさ枝歌集(三)

 

<短歌集(二)の掲載を終えて>
昨日までに、義母の手作り短歌集(二)に蒐集された280句の掲載を終わりました。これらの短歌は平成7年(1995年)の春から夏に詠まれたものと思います。引き続き今日からは短歌集(三)に蒐集されている短歌を順次掲載していきます。

平成4年からご指導いただいた久後地平先生が、平成7年にお亡くなりになりました。この短歌集(三)の巻頭に、ー久後地平先生哀悼の歌ーと記載されています。

今後ともこのBlog(義母の短歌)のご愛読をお願いいたします。(管理人記載)

 

<義母の短歌>#713-726  ー久後地平先生哀悼の歌ー

こと切れし師の貌さすり手を握り奇跡と言うが起こらぬものか

 

大島の和服きりりと召し給い叡知ひらめく顔忘れ得ず

 

歌の師は幼に還り垂乳根の膝に在すか歌を解かれて

 

柩なる師よ聴こし召せ滔々と供華ゆらして透る朗詠

 

師のみ霊送りて戻りの彼岸花ほつほつ咲けるが此の世ともなし

 

叶わざる願いにあれど師の君の今際にわれも侍りたかりし

 

ひと逮夜の泪に湿る庭隅に散りて香のなき木犀の花

 

「今少し歌の奥偽を極めたし」師の声千金の重みに残れる

 

おずおずと差し出す歌稿活きいきと評賜いしが最後となりぬ

 

「老と言う文字使うな」と言いましし師の一喝の尊とかるべし

 

先生の心の動きみえすぎて歌に関る語はつつしみたし

 

川を見てあれば綱打つ先生が草むらゆらして現れまさぬか

 

うからにも近き交わり師の君の思い出山に川に茫々

 

かなしみは人それぞれに山揺れてわが裡に降る追悼の雨

 

<管理人のおまけ>

垂乳根(たらちね)の・・親にかかる枕詞

柩(ひつぎ)

滔々(とうとう)と

叶(かな)う

侍(はべ)り

木犀(モクセイ)

うから・・親族

裡(うち)に

 

<管理人のつぶやき>

■桜咲く 開花記念日 3.30

■今日の歩は 桜求めて 8.8km

 

<今日のウオーク>由良川 新小貝橋から以久田橋 一周 8.8km

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