2022-03-29 #701-712 信じられぬ・・・ 関西花の寺25ケ所 第6番 隆国寺 <義母の短歌>#701-712 信じられぬ思い出ひとつ夫征きわれ牛使いて代掻きしこと 視力ある無上の喜び身に沁みて今日を支える本を選りつつ 朝よりの視界の跡をなぞりゆく昨日と異なる何かがある筈 表戸は施錠のままに昏れんとす天の岩戸か外より開かず しがみつく蝉の抜け殻落とさぬようにいずれ命のなきもの乍ら 骨拾う思いよぎれり山茶花の白きひとひら掌に握りしむ 枕の上に乗せる拳に顎重ね考える葦何も浮かばず 人生は終りを知らぬひとり旅わざわざ汽車に乗らずとも良し 行事表に記すを持たず淘然と写る湯煙にうつつともなし 小暗きに朝刊配る自転車の軋み音凍る霜置く路に 注連飾り稲穂の爆ぜるかそか音耳傾けて幸いと聴く わが丈に及べる雪摺り軒埋め白き獄舎に術なかりけり <管理人のおまけ> 征(ゆ)き 選(よ)り 顎(あご) 葦(ヨシ、アシ) 淘然(とうぜん)と・・酒に酔ってうっとりする 注連(しめなわ) <管理人のつぶやき> 桜花 今日もまだかと天を見る