義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1131-1140 振り向けば・・・

関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺

 

<義母の短歌>#1131-1140

振り向けば野面のはてのひとつ星水痩せし川に闇を降らせる


奔放に半日すごし戻り来て常なるひとりの夕餉も良けれ


新生姜素直にしそに染まりゆくもはや何にも染まるなきわれ


求め来し木魚叩きて死者を呼ぶわが手を合わす唯一の仏


予定になき按摩機求めし空財布バッグに収めて悔いは残さじ


鴉にも憂さのあるにかげんなりとひと声ふた声錆トタンの上


タンポポの絮毛がふわふわ跳ぶように出で来し街も所詮止まり木


蕗をたき山椒煮つめるわが厨日々是精進料理の匂い


草引きたきお指と戻りたき足を納得させる時雨来たれり


庭持ちし息子は俄に興味持ちわが花畑の見直されたり

 

<管理人のおまけ>

絮毛(わたげ))

お指・・指(ゆび)

俄(にわ)か

 

<管理人のつぶやき>

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