義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1091-1100 町住みの・・・

関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺

 

<義母の短歌>#1091-1100

町住みの友が呆けたるつくし摘む童女のごときをうからの眸にみつ


「蕗おとるな」誤字も混れど威力あり車のアベック引き返したり


帰化タンポポ野面占むるを偏見のまなこに見下ろす島国根性


ささ濁る池面に写る花影をこわさぬ程にアメンボ走る


腐たれ木に虫は虫連れ寄り添える小さき平和わが乱したり


身めぐりに良き友増えゆく晩年を戸惑うまでの華あるひとり


夏の川地球の静脈さながらにゆるゆるめぐる思惟持たぬもの


熊笹を辷る風音山住みのわきても久し耳に沁みいる


草見れば指が勝手に動くゆえ蹤きゆく他なし五尺の体


月光を浴びて鎮もる池の面は奈落の使者の蒼きてのひら

 

<管理人のおまけ>

うから・・・仏・菩薩につき従うもの

眸(ひとみ)

蕗(ふき)、混(まじ)れど

ささ濁(にご)る・・水がわずかに濁る

身めぐり・・人間の営み

思惟(しい、しゆい)・・考えること

辷(すべ)る

わきても・・特別に蹝

蹤(つき)きゆく・・ついてゆく?

 

<管理人のつぶやき>

■晴天に 何を思うどウクライナ