義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

871-880 狐花・・・

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関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌871-880>

狐花朽ちて丹波の霧ふかし棘も実もなく日々是好き日


耕して土なる色を取り戻すひといろにしてこのやさしさは


隠れ棲むごとくひっそり墓地浄め翳りそめたる野の怪戻る


諸もろの芥積み上げ放つ火に焔のあげる滅びの凱歌


火の降るとも走れぬわれの歩みがなか時雨無情に髪濡らしけり


ポケットの小さな闇にしのばせる鍵の子守のような鈴の音


畑土に触れざりし日の悔い煽り夕べの風の雨を連れくる


おぼおぼと歩む羽子虫その羽根をもて跳びし日ありや


音絶えてひと日の労に瞑りいるうつそみわれは脆き物体


子は傍に深く眠れり語らいのなにとしなくも互みに足りて

 

<管理人のおまけ>

狐花(キツネばな)・・彼岸花

浄(きよ)め

翳(かげ)り

時雨(しぐれ、じう)

畑土(はたつち)

煽(あお)り

うつそみ・・この世

瞑(つむ、つぶ)り

脆(もろ)き

互(かた)みに・・たがいに

 

<管理人のつぶやき>

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