義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#881-890 月末の・・・

f:id:okamura920:20220412140509j:plain

関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌>#881-890

月末の支払い終えて嵩低き財布にほっと息吹きかける


泥のつく軍手脱ぐ手のほの温し庇われいると束の間思う


回覧板まわす隣家に営みの構図のごとき掃除機の音


谺なす犬の遠吠え尾を曳きて気寒き夜半の耳に届けり


打てばひびく会話に足りて帰るさの目に写るものなべてやさしき


幼子の泣き声さえや尊かり老いゆく里の昼の閑寂


牙のなき象のごとしも急坂のカーブにバスの巨体現る


女男の刃の微妙に合わぬ握り鋏仲人なすがにしつこく研ぎやる


うたた寝の夢しどろなりがぱっと醒め昼か夜かとまずは窓みる


城跡の土見えぬまで散りしけるもみじに届くうすら木漏れ陽

 

<管理人のおまけ>

庇(かば)われ

谺(こだま)

閑寂(かんじゃく)・・ものしずか

 

<管理人のつぶやき>

花冷えの 昨日は夏日 今日ストーブ