#641-650 瞑る眼に・・・
<義母の短歌>#641-650
瞑る眼に己が自在の古家は累々と起つ低屋ながらに
此の影が我のものかやすんなりと月を背にして長きが愉し
天を指す銀杏黄葉の真盛りにゆらめき靡く落ち葉焼く煙り
明けきらぬ窓に鴉のしゃがれ声からすには鴉の愛のあるべし
ひび割れるひとつの生きを置き去りに米研ぐ水は澄きて溢るる
せせらぎに垂るるもみぢの美しやけし冬菜を洗う媼も去れり
往く先々落ち葉裸か木枯れすすき夕暗の道雨にけぶらう
吹く風のうねりに身を揉むもみぢ葉のざわっーと寒く岸になだるる
うすら陽に残る力をふり絞り咲かんとすらし花魁草なおも
物を煮る匂いを亡夫はよろこべり湯気ぐもる眼鏡の奥に浮かぶも
<管理人のおまけ>
瞑(つぶ)る
愉(たの)し
靡(なび)く
溢(あふ)るる
夕暗(ゆうやみ)の
<管理人のつぶやき>・・・今日の新聞から
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