義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#631-640 開店を待つ・・・

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関西花の寺25ケ所 第5番 高照寺

 

<義母の短歌>#631-640

開店を待つ駐車場広々と水蜘蛛の遊ぶにわたずみを持つ


吹く風のうねりに生るる彩山の折り伏し川を越えて迫り来


売り出しに満車となりいる駐車場ここには枯れ野の匂いがしない


うるおえる花も実もなき家裏にも季はあるなり落ち葉掃き寄せる


じんわりと山肌滲む地下水を土の泪と寒に視つむる


商人の世辞をまともに聞く程若くはあらず雨宿りの舗


ピエロ役こなしてわれの人前にほがらほがらとやがて寂しく


たくましき男等画面を闊歩する刑事ドラマのひとりを視つむ


みどり児は母の腕にビードロの柔き唇溶けて眠れる


矢はすでに弦を離れて的遙か浜田歌集を声上げて読む

 

<管理人のおまけ>

水蜘蛛(みずぐも)・・水の上を歩く蜘蛛

にわたずみ・・地上にたまり流れる水             

生(うま)るる

舗(ほ)・・店

闊歩(かっぽ)ビードロ・・ガラス(ポルトガル語

 

<管理人のつぶやき>

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