#491-500 川岸の・・・
<義母の短歌>#491-500
川岸の拓かれて陽を浴ぶ幾つ岩なかに寄りあう夫婦岩あり
水底に尺余すなる大鯰ゆらり影曳く寒中の泳
終駅にも似たる吾が背かかたえより旅人のごとく子等発ちてゆく
三戸五戸小聚落のちりぢりに一戸をひらく女あるしぞ
霜柱踏めば崩るる音かそか消えゆくものを足裏に覚ゆ
命の火いのちの刻がぢりぢりと雨に研がれて捲きとられてゆく
手放せるわが田のあとのひこ生えを褐色の風はげしく揺らす
にわたずみ濁れるままに写しいる立看板のそよろの濁り
常小屋に初めて視たるトーキー映写は荒木陸相の演説なりき
臘梅の透ける花片臈たけて剪らむとする掌にこぼれ落つ蕾
<管理人のおまけ>
拓(ひら)かれて
鯰(なまず)
かたえ・・かたわら、そば
聚落(しゅうらく)・・集落、村落
ひこ生え・・根元から新たに生える芽
にわたずみ・・雨が降って地上にたまり流れる水
そよろ・・物が軽く触れ合ってたてる音を表す
臈(ろう)
剪らむ(きらむ)
蕾(つぼみ)
<管理人のつぶやき>
■早くこい ワクチン打って春を待つ