義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#471-480 為すべきを・・・

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関西花の寺25ケ所 第4番 高源寺

 

<義母の短歌>#471-480

為すべきをひとつ余して昏れなずむ窓にかそかなる焦りゆらめく


葉牡丹の紅に積む雪払いやり蕊より生きるる生気溢るる


育てたる馬鈴薯にあらず徒生えの摂理に実るを堀り上ぐ感謝


乙女とはまだよべざりし十三才紡ぎたる工場の窓破れしまま


ワゴン車のミラーに己が姿見て遊ぶ鴉の数分を居たる


自らの眼が染みゆくか枯れ色の山も草木も耀よいて写る


農為さぬ我に黒豆賜いたる老いこそ侘し独り居五年


ひたぶるに和紙漉く人の掌の業に刻さかのぼる遥か移り夜


乳牛の牡に生まれし宿命によろめく仔牛いずく運るる


里に古りて残る一棟の物置へ吾が脚誘う父母の幻

 

<管理人のおまけ>
溢(あふ)るる
徒(あだ)
漉(す)く
古(ふ)りて
 
<管理人のつぶやき>
■2日目に ワクチン反応じわりくる
■熱もあり 腕の痛みと倦怠感