#321-330 手造りの・・・
手造りのベンチ形見と置くを出し子が掛けているつぶれはせぬか
逝きし面美しくあれと子の掌にて夫の頬髭剃らしめたりし
死の床のうつつに「飯」にせよと言う末期となりし一匙の粥
花びらに露まろばせてふく郁と手折りし菊を黄泉に参らす
別れ告ぐ吾に時計を指さして口きけぬ人首振りており
止まぬ雨も明けぬ夜もなしとつぶやきを漏らす静けさ唇乾く
料理メモ誰が為にとる乱れゆく文字を丸めて篭にほる音
無意識に投げ出す手首の皺が知る七十年の良きも悪しきも
生涯に人に語れぬ事もあり黄泉の荷物のひとつと包む
ふと聴けば世にも不思議なアナウンス男性自立の講習会とは
<管理人のつぶやき>
一匙(ひとさじ)の粥(かゆ)
ふく郁(ふくいく)
黄泉(よみ)
<管理人の嘆き>
コロナ禍でパソコン納期2ケ月と・・・・困ったことです