義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#321-330 手造りの・・・

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関西花の寺25ケ所 第2番 楞厳寺

 

手造りのベンチ形見と置くを出し子が掛けているつぶれはせぬか


逝きし面美しくあれと子の掌にて夫の頬髭剃らしめたりし


死の床のうつつに「飯」にせよと言う末期となりし一匙の粥


花びらに露まろばせてふく郁と手折りし菊を黄泉に参らす


別れ告ぐ吾に時計を指さして口きけぬ人首振りており


止まぬ雨も明けぬ夜もなしとつぶやきを漏らす静けさ唇乾く


料理メモ誰が為にとる乱れゆく文字を丸めて篭にほる音


無意識に投げ出す手首の皺が知る七十年の良きも悪しきも


生涯に人に語れぬ事もあり黄泉の荷物のひとつと包む


ふと聴けば世にも不思議なアナウンス男性自立の講習会とは

 

<管理人のつぶやき>
一匙(ひとさじ)の粥(かゆ)
ふく郁(ふくいく)
黄泉(よみ)

 

<管理人の嘆き>
コロナ禍でパソコン納期2ケ月と・・・・困ったことです