義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#121-130 飛べぬまで・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

飛べぬまで腹太らせて充ち足りる蚊の終を打つ我が掌の動き


ゆるゆると廻る舞台も今し秋人も緑も衣かえゆく


高圧線楽譜にも似て空にあり小鳥の音符気紛れに飛ぶ


土なきに芽吹き子をもつ古馬齢の皺に明治の母を重ねる


わくら葉の散りしく谷を流れ継ぎ陽を浴ぶ水の透きてこぼるる


見つめいる外灯の闇に浮かぶもの蜘蛛ひとすじの銀糸光らす


汗拭う木陰に蜻蛉流れ飛び秋を愉しむ直ぐなる姿勢


オクラ二個胡瓜一本茄子一つ我れひとりの為もぎて帰らむ


山襞の起伏なめらに稜線伸ぶ菩薩裳裾の衣の広がり


明日去るを互いに触れずスーパーに夕餉の材を親娘で充たす

 

<管理人のつぶやき>
馬齢・・・馬鈴薯?  皺(しわ)
わくら葉・・・病気や虫のために変色した葉
浴ぶ(あぶ)、透きて(すきて)
蜻蛉(とんぼ)、愉しむ(たのしむ)
山襞(やまひだ)、起伏(きふく)裳裾(もすそ)
 
■三回目ワクチン予約終わりけり(お粗末!)