カテゴリー:風景・景色(ニ)
手作り短歌集(ニ)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された280首の内、六番目に多く(22首)が含まれるカテゴリー【風景・景色】分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(ニ)>
#434 夜をこめて雪婆地上を浄めたり此の煌きを猫も走るな
#437 月と我声なくむきあう丑満刻おどろの夜気が影を貫く
#455 臥す虎の姿に似たる奇岩石夜毎せせらぎを干すにあらずか
#456 昼と夜の狭間の山に風もなし刻止まるがに樹木の動かぬ
#457 渦捲ける底いに静寂のありと言う身の揺れるまま揺れて佇ちおり
#469 流れゆく雲を写せる潦おさなの投げる石に砕ける
#486 古ゆ蒼き流れに研がれ来て角ある岩の見えぬ二瀬川
#491 川岸の拓かれて陽を浴ぶ幾つ岩なかに寄りあう夫婦岩あり
#492 水底に尺余すなる大鯰ゆらり影曳く寒中の泳
#498 にわたずみ濁れるままに写しいる立看板のそよろの濁り
#519 ひといろに枯れ葦すだれとたつ河原煩悩払う石塊のなか
#527 此の橋をゆこか戻ろか散歩みち独りに見上ぐるたもとの桜
#551 二瀬川に脚濯ぎたる鬼の子もあるべししんしんと渓流は澄む
#552 杉の秀に昼蛍かと光る露こえ登りくる天の岩戸に
#553 谷深き天の岩戸に人声のたちてさざめく泉ならなくに
#577 出口なき洞に吹き溜まる風の息わくら葉ひとつ陽の隅にあり
#588 燃えつきる生木の燠の赤々と亡びゆくもの夕闇にしるき
#632 吹く風のうねりに生るる彩山の折り伏し川を越えて迫り来
#634 うるおえる花も実もなき家裏にも季はあるなり落ち葉掃き寄せる
#664 戻り来て峡に仰げる月親し椿静けく凍らんとする
#682 目に馴染みの山を見上げ五十年やさしきものはことばを持たず
#687 昏れ際の水面きららに活きづきてうねり昴まる流れ膨らむ
<管理人のつぶやき>
■老人会 健康マージャン再開す