義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#111-120 墓地に咲く・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら



墓地に咲く紫桔梗咲きつきて空の青さに旅立ちゆきしか


蹲まる汗の背中に吹き溜りシャツ孕ませて過ぎる野風は


他所ものと構えて見つめる三毛猫の光る眸と居る人待つ刻を


ラジオの楽流れる牛舎に腹這えるピンクの乳房溢れんばかり


まじろぎもせずにみつめるみどり児の瞳に我は何と写らむ


張りつきてはり戸に写る雨蛙今宵の糧を待つ指の数


今日のどを過ぎてゆきたるもの想う女のひとりカルシュウム零


唐突に人の訃を聴く昂ぶりの中に悲しき水引き結ぶ


暮れる中稲かける背を通り過ぐ装いおれば罪ある如く


ささやかな安堵得るべく癌健診我より老ゆる人なき中に

 

<管理人のつぶやき>

蹲まる(うずくまる?)

孕ませて(はらませて)

眸(ひとみ)、刻(こく?)