義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#101-110 針持たぬ・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

針持たぬ夜なかりけり縫い直し繕い物に余念なき頃


飼われいて時折り家出する猫の何を恋うるか野生のように


お守りを成田不動の神域に戴きし亡夫御利益受けず


夾竹桃己れ育くむ陽を求め繁り逃れて丈高き花


枯紫陽花もやす束の間声のなき悲鳴にも似て炎は上がる


窓明かり及べる庭に夏百合の地這う闇にほの白くゆれ


鉛筆を削れば薄き香の立ちて机に長夜を声なくおりぬ


畳這う馬追い掃除機に吸い込めり生き確かめる夜の気紛れ


我が戒名今だ刻まぬ夫婦墓さびしからずや地下なる人は


メダカ等の流れにさからい泳ぐ様進むと見えて流されもせず

 

<管理人のつぶやき>
今日の農作業・・・圃場周囲の鹿侵入防止柵設置に出役