義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:風景・景色(九)

福知山市岩崎 岩崎薬師堂




手作り短歌集(九)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された228首の内、四番目のカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌(22首)を掲載いたします。


<義母の短歌>カテゴリー:風景・景色(九)

#2384    風吹けば回る外なきもぐらおどし淡雪舞う田に虚しき音立つ


#2389    枝ゆらす重みも持たず跳び交える小鳥のつつく光のみじん


#2390    冷たかろ霜置く草に倒れこむ無人の駅の放置自転車


#2398    狸穴と呼ぶ谷埋められ消えてゆく自然をよそに成る高速路


#2401    ささ鳴きと人は言うなれ我が耳は愛のコールに応えると聴く


#2413    乗客なき無人の駅に停車する二輛電車の影のどかなり


#2431    夕映えが今日を攫いてうすれゆく明るい明日にして返すよと


#2432    人気なき峡の広場のブランコを風の子が来て時折ゆらす


#2440    秋の山春日の局の打ち掛けの緞子思わせ色深めゆく


#2465    冷やかに地球を見下し蒼く照る異る界の美しき


#2468    むっつりと立ちいるのみに頼もしき山に守らるわが住む里は


#2470    柿若葉花に劣らぬやさしさに揺れてきらめく疲れ曳く目に


#2507    冬ざれの峡の河原に歳月の諸々秘めてそそり立つ岩


#2513    白濁の雪解け渦巻き岩を打つ自然のくれし鄙の景観


#2519    昼の月匠の漉きし和紙のごと白く透きつつ象崩れず


#2526    どっしりと古き陶器を思わせる山膨らみて葉裏をかえす


#2532    山住みの目は眩しめり魚跳ねるさまにきらめく湾の細波


#2534    廃屋の傾き朽ちゆく逐一を詮なく見守る椿の大樹


#2545    かなしみの雫のような雨の露光りを留めて樋に縋れり


#2553    風の意のままに吹かるる病葉に終りしものの軽さを見たり


#2562    むっつりと吊らるる玉ねぎ振り落とす孤独な風の透けるてのひら


#2563    工事現場に夜っぴて点る青き灯がめぐりの闇をなお濃ゆくする

 

<365人の生き方>

■明日からは 毎日二か月 腕立てと 腹筋100回欠かさずにやれ

■二か月後 コーチが云った そうか。ただし このトレーニングは ユニホーム脱ぐまで

鈴木尚典 横浜ベイスターズ元選手   大舞台で緊張しない秘訣)