2023-06-02 アテゴリー:暮らし・田舎(九) 暮らし・田舎 福知山市多保市 厄除神社 手作り短歌集(九)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。短歌集に掲載された228首の内、四番目のカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌(22首)を掲載いたします。 <義母の短歌>カテゴリー:暮らし・田舎(九) #2387 集落のほぞのあたりの一軒家殷たれ隣が又遠くなる #2397 ささ百合の群咲く山を削りゆく重機の爪をうらんでみても #2441 声のなきメールのごとく瞬ける火星と対き合う寝ね際五分 #2442 裸木の枝がトタンの屋根なずる音の虚しさ又雨が降る #2445 だんまりの夜のながさをにつめるごと蒟蒻コトコト煮ている寒夜 #2467 打ちかえす雨上りの畑黒々と土本来の色に輝く #2473 止むと見て鎌砥ぐわれに今すこし憩えと降るか再びの雨 #2474 人の声よし聞かずとも鳥の声聴かぬ日はなし鳥語知りたし #2485 盆過ぎて虚しく静もるどの部屋の襖開けてもだあれもいない #2490 「血を少し下さい卵産むため」と鳴く蚊に容赦あらぬてのひら #2491 喜びをひとり占めして朝まだきぎんなん拾うバケツ一杯 #2492 自を知るは自の他になしだんまりに昏れて乾ける唇熱し #2493 此れの世の外なる声の降るごとしトタン屋根打つ暗き雨音 #2494 増水に水吠える音ひとり聴く夜長かりき時止まりしごと #2533 ルームミラーに映りし夕陽くねくねの山路抜け来て正面にみる #2552 朝まだき霧這う谷に鳴く鹿の声切なげなりひとりの耳に #2554 杉の秀に西陽かかれば仕舞いどき「明日も来るよ」と鍬の柄杖に #2555 二戸三戸人住むあかしに点る灯を闇と峡霧がすっぽり包む #2556 愛想にかけし言葉がねぎ大根かぶらに変り届く年の瀬 #2560 五百羅漢列なり在すと思うまで路肩の残雪続く農道 #2576 童なき里に幼児の歓声と訝る耳に「あれは猿だよ」 #2591 みどり濃き列島が好き京がすき丹波山家のわが里が好き <365人の生き方> ■國のため 捨てる命は 惜しからで ただ思われる 国の行く末 ■風に散る 花の我が身は いとわねど 心にかかる 日の本の末 (板津忠正 知覧特攻平和会館顧問 散っていった友の詩を語り続けて)