義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#211-220 咲き誇り・・・

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関西花の寺25ケ所 第2番 楞厳寺


<義母の短歌>

咲き誇り触れなば散らん情濃ゆき人思わせる芍薬の花


フロントに鎌上ぐひとつかまきりの生き確かめてアクセルを踏む


ざわめきの酒座を逃れて施錠するひと日の終わりこそと音する


すきとおる新米友は賜いきぬ農に疲れて農なき我に


浮き立ちし祭りの終わり昏れるなか行事の果ての煙見送る


芒原に佇つ肩撫ずる風かそか旋律に似て耳底になる


施錠する玻り戸の揺れて残る世のひと日を埋める彩を思えり


花ならばひととせ待てば咲くものを自ら散りし無情の葬り


金木犀散りしく片辺を掃き残す金の彩り酔い醒めるまで


胸寒く秋雨の音ひたひたと眠れぬ夜の無聊をつつむ

 

<管理人のつぶやき>
芍薬(しゃくやく)、賜い(たまい?)
昏れる(くれる)芒原(すすきはら)
佇つ(たつ)、撫ずる(なずる)
耳底(じてい)
玻り戸(はりど)・・ガラス戸
葬り(はぶり)、無聊(むりょう)

 

福知山市立図書館では今年から電子図書館が開設されました。
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