#211-220 咲き誇り・・・
<義母の短歌>
咲き誇り触れなば散らん情濃ゆき人思わせる芍薬の花
フロントに鎌上ぐひとつかまきりの生き確かめてアクセルを踏む
ざわめきの酒座を逃れて施錠するひと日の終わりこそと音する
すきとおる新米友は賜いきぬ農に疲れて農なき我に
浮き立ちし祭りの終わり昏れるなか行事の果ての煙見送る
芒原に佇つ肩撫ずる風かそか旋律に似て耳底になる
施錠する玻り戸の揺れて残る世のひと日を埋める彩を思えり
花ならばひととせ待てば咲くものを自ら散りし無情の葬り
金木犀散りしく片辺を掃き残す金の彩り酔い醒めるまで
胸寒く秋雨の音ひたひたと眠れぬ夜の無聊をつつむ
<管理人のつぶやき>
芍薬(しゃくやく)、賜い(たまい?)
昏れる(くれる)芒原(すすきはら)
佇つ(たつ)、撫ずる(なずる)
耳底(じてい)
玻り戸(はりど)・・ガラス戸
葬り(はぶり)、無聊(むりょう)