義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#37-42 花菖蒲あすは・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら



花菖蒲あすは開かむ直立の蕾一途に天を仰げり

 

夕立の雨粒地表を走る時乾ける土が一瞬を匂う

 

庭の雪積もりしままに黄昏れて唇重く早く戸を繰る

 

施錠する雨の玻り戸に白き蛾の羽根打ちふるい灯にしたいよる

 

綿雲に吸われる鳶の何処へゆく午後薄曇る待合室の窓

 

幾とせを水に研がれし岩肌の過ぎ来し踏みて釣人の座す

 

 

<管理人のつぶやき>

玻り戸(はりと・・・ガラス戸)、鳶(とんび)