義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#55-60 帰らぬと・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

帰らぬと知りつつ煮物ならべゆき何を夢みる親子ごっこ

 

夜気受けて路ゆくひとり案内する終わりの蛍吾れを伴う

 

採り込みし杏を知らずひよの来てつつくものなき枝葉をゆらす

 

幼名で呼びて消えゆく六十年学舎の友皆髪白く

 

とりとまを斜めに活けて一夜過ぐ意志持つ如く花首立てり

 

頼る人逝きてめぐる日かそかなり迷い子の如く闇抜けられず

 

 

<管理人のつぶやき>

夜気(やき)・・・夜の冷たい空気

とりとま(トリトマ)・・・花の名で写真を見れば本当に花首を立てている

かそかなり・・・やっと感じられる程度