義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#49-54 此れ程の・・・

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関西花の寺25ケ所 第1番 観音寺(公式HPはこちら

 

此れ程の人歩みいて我を呼ぶ声なき街の雑踏をゆく

 

掌の汚れ心の灰汁を流すかに蛇口にしっこくかざして洗う

 

諦める端から待ちぬ土曜日は車の着く音夜の更ける迄

 

長月を捲まず勤めし夫逝きて我に賜える年金の泉

 

草刈る掌鍬ふるう腕汗拭う何時も従きくる私の影も

 

汝よりも半日たりとも早く逝く望みし夫の早すぎる他界

 

 

<管理人のつぶやき>

灰汁(あく)

長月(ながつき)・・・9月

捲る(まくる? めくる?)

#54・・・・半日たりともが30年になった