義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#971-980 長の子の・・・

関西花の寺25ケ所 第9番 鶴林寺

 

<義母の短歌>#971-980

長の子のわれを愛ぐしと祖父母父母寝かせも置かず抱きしと聴けり


大往生の際にわが名を呼びしとう父の手に成る書を軸となす


風媒の野蕗萌土に根をはれり流浪の民の住みつけるがに


気が付けばひと日電話の一本もなかりしことの俄に侘し


嫁妻母なべて解かれし孤の世界流離はときに愉楽へ続く


寝言言う息子の夢のはかれずも幼なかるべしここは故里


三人子と同じ高さに生きているこの自負終まで持たねばならぬ


突進型行きはまづまづ戻りに迷う持って生まれし方角音痴


いつしかに人の忘るる古池の無縁仏に似たる静もり


離れ住めど心は近き子と思う電話の声のややに湿りて

 

<管理人のおまけ>

風媒(ふうばい)・・花粉を風が運んで受粉を媒介

野蕗萌(のぶき)

俄(にわか)に

侘(わび)し

流離(りゅうり)・・流浪

愉楽(ゆらく)・・楽しみ

静(しず)もり・・鎮まる

 

<管理人のつぶやき>

■日本初 Xゲームズ始まった 13歳の開ちゃんがんばれ

■吟の道 入賞するのは遠けれど 参加するのに良しとしようよ