義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#911-920 それぞれの・・・

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関西花の寺25ケ所 第8番 應聖寺

 

<義母の短歌>911-920

それぞれのうつし身庇う傘の群れあるいは闇にうごめく茸


言わずとも聞かずとも通じ合う心血は水よりもまさに濃ゆかり


まるまりて朽葉も寒さ厭うにか身を寄せ合える日向の窪み


押し黙る唇のごとき冬の土盛り上げ動くはもぐらなるべし


人棲みてこの静けさやささ透る冬の光りを目に掬い上ぐ


声落としひとりも良けれと囁き合う無夫のふたりに病はあるな


飲みさしの冷たきコーヒー飲み下し無理に瞑れど明日が見えぬ


戸の外は降りみふらずみ昏れやすく五臓病まねどまなぶた熱し


さきいかを肴に地酒をなめている仏の他に知るものはなし


熊笹の繁りをみれば寿司ひとつ包みてみたし昔主婦なる

 

<管理人のおまけ>

茸(きのこ)

厭(いと)う・・いやがる

囁(ささや)き

瞑(つぶ)れど

降(ふ)りみふらずみ・・降ったりやんだり、まなぶた・・まぶた

 

<管理人のつぶやき>

■目に青草 これから先は 草刈期