#351-360 とどめたき・・・
<義母の短歌>#351-360
とどめたき野の草落ち葉の彩よせて色紙に残すひと掬いの秋
七十路にかかるに無邪気と言われいて隠すを知らぬ単細胞なり
スーパーのテレビに写る女あり汝れと知るまで数秒を佇つ
ひた走る車に入るくる秋の風生きて味わう今日の匂いを
岸と畔と境分かたぬ草もみじ黄の原茫茫と黄昏れるなか
それぞれに使途あり葉陰のあばた柚子湯舟に浮かす二つ三つを
客去りてひとりに広きテーブルに湯呑み二つが冷えて残れり
老人車押すあり水筒提げるありゲートの老は大きく掌をふる
人声のしきりに恋し冷ゆる夜書読む目鏡又してもはずす
逃げてゆく野良猫の胴太かりき此の寒空にみごもりいるらし
<管理人のつぶやき>
掬い(すくい)
佇つ(たつ、まつ?)
提げる(さげる)
目鏡(めがね)