義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#361-370 蜘蛛糸に・・・

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関西花の寺25ケ所 第3番 金剛院

 

<義母の短歌>#361-370

蜘蛛糸にかかる枯葉のクルクルと廻るを病床の窓に見ていつ

谷川の細る岩間をひとすじの白布垂れるを描く人あり

裸木の枝軽がると天仰ぐ縫いし錦地にかえして

過ぎ来しのこもごも秘める掌に浮かびくるもの醒めた眼でみる

大根を炊けば誰かのいるような鄙びの匂い夜半までこもる

裏軒に味深めゆく新漬けの母の味よしと子の喰むを待つ

クルクルと渦にもまれるわくら葉を掬いて何と言うにあらねど

籠る耳かたむけており戸の外に二、三の女等さざめきゆけば

あかときを醒めて見る夢ひとつあり鉛筆熱く握り直して

霜月の歌会寒し吾が行手遮る壁の厚きを叩く

 

<管理人のつぶやき>
鄙び(ひなび)
喰む(くらむ)
あかとき(暁)・・夜明けがた

 

<この頃の天気>
■今朝もまた外の気温は氷点下
■この寒さいつまで続く温暖化?