義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#371-380 自己意識・・・

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関西花の寺25ケ所 第3番 金剛院

 

<義母の短歌>#371-380

自己意識告げるか枝に鴉啼き人その声を読むときもあり


繁殖のはげしき故に黄金笹火鉢の中にひしめきて生う


いずこさす確かな当ても持たず出て友が家に見る夕茜空


豪邸もひとりの軒もへだてなく染めて茜はゆるゆる消ゆる


耳遠き夫故大きく鐘鳴らし外出告げて後髪曳かれ


川霧のたちまち視野けぶらせて我が佇つ地の揺らぐ錯覚


渋柿を頬張るような顔をしてひとつの思い胸に収める


燃える夏水なき石に苔とあり今青あをと軒しのぶ生う


庭石の苔むしりいし庭師の掌ふと残し置く軒しのぶの緑


庭石のかげに千両万両の鳥の胃満たす季までを赤く

 

<管理人のつぶやき>
黄金笹(おうごんざさ)・・黄金色の葉を持つ笹
軒しのぶ(軒忍)・・シダ植物

 

<管理人の今日>
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