#341-350 庭に散る・・・
<義母の短歌>#341-350
庭に散る落ち葉カラカラ吹き溜まり窓にも季の移ろいてゆく
万歩計結わえて今日は二百歩を切るかもしれぬひと日の終わり
日帰りのうから等ひと日賑わして水引くごとく夕べに去れり
朝まだき霧海原の高速を現れ消えて浮くごとき車
ためらわず鄙びし店の扉押し小さな女の喜びを買う
秋深む草むら踏めばこおろぎの老いたるひとつよろばい出でる
鳶が蛇くわえて屋根に止まるを見て鍵たしかめる女のひとり
三日見ぬ路方に燃える草もみじ踏みしく人の地下足袋跡をみる
いがの燠赤き鞠藻のうごめきて生きあるごとく互いを燃やす
もぎ残る葉陰の柚子の冷ゆるままあばたの皮のひそやかに実る
<管理人のつぶやき>
うから(親族)・・こんな言葉、管理人は初めて知った
鄙びし(ひなびし)
燠(おき)
鞠藻(まりも?)