義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#851-860 食欲は・・・

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関西花の寺25ケ所 第7番 如意寺

 

<義母の短歌>851-860

食欲は思案の他にて欠かすなき飲食されど美食にあらず


滅びえの水吸い上げてなお紅しいまこぼれんばら妖艶に


過去ひとつ葬り去るがに夏衣押し入れの闇に冬を眠らす


欠け皿に似たるか我が生き使うならまだ道はありかそかある自負


首振らす要なきひとりの扇風機所在もなげに秋のへや隅


ひと夏を廻り続けて扇風機コトリ素直に箱に収まる


雑音も雑踏もなき里住みに慣れて飛翔の夢うすれゆく


此の道はいすべ指す道山に向きブルトーザーの猛りたつ音


穫り入れの終わりし峡田さむざむと実ることなきひこ生えの揺れ


目を曳きし冬のセーター求めきてひと日ふた日の心足らえり

 

<管理人のおまけ>

猛(たけ)り

 

<管理人のつぶやき>

■20歳 28年ぶりの パーフェクト