義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#841-850 感情の・・・

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関西花の寺25ケ所 第7番 如意寺

 

 

<義母の短歌>841-850

感情の脱皮なすがに泣き喚く幼なを黙らす蜻蛉のまぐわい


土も木も久びさの雨むさぼりて酔うにかあらん揺れて傾く


なかなかに逃げては呉れぬ蛇のごとき残暑が不意に背向けたり


ためらいてひとりし入るレストラン対の椅子に見えぬ人置く


般若心経何十巻を誦し参らすとも死者の言葉を聴くことはなし


花ゆえに咲かねば終れぬ哀しさよ余りに小さき鶏頭の花


買い置ける糧もつきたる冷蔵庫に鶏卵冷えて雨降り止まず


学力のましてや貧富の差もあらずクラスメートはコスモスのごと


年毎に祭り太鼓の音細り過疎の深みに里は病むなり


好まれし師は黄泉の人山ぶどういたずらに熟るる秋庭さぶし

 

<管理人のおまけ>

喚(わめ)く

蜻蛉(とんぼ)

まぐわい・・めくばせ

誦(となえ)し

黄泉(よみ)

 

<管理人のつぶやき>

■ケンケンと キジの声に 起こされる

■オスのキジ 相変わらずに 派手好み