義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:独り・老い(十)

福知山市土 松尾神社

 

自筆短歌として最後に掲載した46首を、9のカテゴリーに分類しました。
46首の内、2首が含まれるカテゴリー【独り・老い】に分類した短歌です。


<義母の短歌>カテゴリー:独り・老い

#2627    止むを得ず守る沈黙昨日のこと不意にがやがや脳裏をよぎる


#2651    終着の何処か何時かは知らぬまま誰もがもてる片道切符

 

<管理人のつぶやき>

■早いもの 義母の法事は 3回忌

カテゴリー:時代・時(十)

福知山市前田 愛宕神社

 

自筆短歌として最後に掲載した46首を、9のカテゴリーに分類しました。
46首の内、5首が含まれるカテゴリー【時代・時】に分類した短歌です。

 

<義母の短歌>カテゴリー:時代・時

#2607    過ぎし日に芒原みて泪せし心操る憑きもののいて


#2608    短くも長くも覚ゆ混迷のもう七十三歳まだ七十三歳


#2609    二時間の後には辻褄合うドラマ我に還らぬ刻をゆかせる

 

#2611    待つととも待たれるととも〇〇〇〇〇心重かりき遠く日の事

    (〇〇〇〇〇印は読めなかった言葉)


#2625    うつつにはなき生れ家に物言わぬ父母いて囲炉裏燻りいたり

 

<管理人のつぶやき>

■難しい 言葉も漢字も ありました お世話になった Google先生

 

カテゴリー:動植物(十)

福知山市前田 愛宕神社

 

自筆短歌として最後に掲載した46首を、9のカテゴリーに分類しました。
46首の内、5首が含まれるカテゴリー【動植物】に分類した短歌です。

 

<義母の短歌>カテゴリー:動植物(十)

#2621    霜月になお咲かんとする夏百合の生きる執か孤高の花びら


#2637    造花のばら逆さまだって何んだって平気でいるから可愛ゆくない


#2638    実をつけしことなき枇杷の木年毎に徒なつぼみのおもわせぶりな


#2639    わがふれて花首折れし一輪のダリヤよ許せ小皿に浮かす


#2646    無意識に裏切ることもありぬべし蕾のままに終るか野ボタン

 

<管理人のつぶやき>

■この頃の 義母の年齢 87歳

カテゴリー:暮らし・田舎(十)

福知山市前田 愛宕神社

 

  自筆短歌として最後に掲載した46首を、9のカテゴリーに分類しました。
 46首の内、2番目に多く(6首)含まれるカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌です。

 

<義母の短歌>カテゴリー:暮らし・田舎(十)

 #2612    十中の八まで渋い今年柿世の中そんなものかも知れぬ

#2614    山住みの首捻じ曲げて珍しむ夜汽車の響き空席の灯

#2618    この奥に車で入ってゆけるかと尋ねし女灰色の感じ

#2629    荷物にはならぬ喜びこぼれぬよう車窓はきっちり閉して戻る

#2630    明日のない歳でもあるまい片づけは明日の事よ先づひとねむり

#2642    魂のここはまほろば変哲もなき山里に住みたりて足る

 

<管理人のつぶやき>

■このBlog 五百四十 四回目

 

 

カテゴリー:自分・生活(十)

福知山市前田 瑞龍山東林寺(曹洞宗)



<自筆短歌の掲載を終えて>

 昨日までに、義母が書き残し私の手元に残る 2,652首の短歌すべての掲載を終えました。

    今日からは、自筆短歌として最後に掲載した46首を、9のカテゴリーに分類し掲載していきます。

 46首の内、1番目に多く(21首)含まれるカテゴリー【自分・生活】に分類した短歌です。

 


<義母の短歌>カテゴリー:自分・生活(十)

#2610    里人に混じればいささか反叛の匂い放つとみずから思う

#2613    このへやのどこかにかくれている服よ着られず終るが本意でもあるなじ

#2615    三つの鍵それぞれ異る音を持ちわが守られつはたしばられつ

#2616    世に起たむ鎧を脱げば飄々と吹かるる落葉の軽さにいたり

#2617    朗らほがら人には見せぬ裏側のひとりの世界に靄かき分ける

#2619    世に起たむ鎧を脱げば飄々と吹かるる落葉の軽さにいたり

#2620    所有権はまだ我れにあり高速路設置の杭立つ畑の草引く

#2623    片〇く水皺の音か淋しいとほろり宣らせし八十七歳

    (〇印は読めなかった漢字)

#2624    濡れ落葉踏み来しわれも濡れ落葉封書一通投函せしのみ

#2626    知らぬ土地堂々めぐりの迷い道方向音痴ののど乾き切る

#2628    刻埋める何程もなし夕支度開げっぱなしの歌集幾冊

#2632    やんわりと傘開かせる秋時雨ひとり占めゆく円形の空間

#2633    夢とても嬉しき夢あり世に出せぬ宝持つごと唇ゆるむ

#2634    なすことのすべてが大まか剪りすぎしダリヤむりやり押しこめている

#2640    歌を詠む人には細事わが大事身に一本の鋼つらぬく

#2641    男なら山崎方代真似るかも時折常軌を逸したくなる

#2643    どのように生きても日は落ち日は昇る此の身が大事守りてやらな

#2644    為すことのなべて徒労の終焉を締めくくるべし奢りの外食

#2645    かたまりて〇きは老いし星群れと読みたるあとのさても侘しき

    (〇印は読めなかった漢字)

#2649    「いやなのよ」ひとり言ちつつ小さきくも指に潰して後味悪し

#2652    湯に浸りまだまだ死なぬぞこの身体脂肪たっぷり蓄えている

 

<管理人のつぶやき>

■よく詠んだ 二千六百 五十二首