義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

カテゴリー:家族(九)

福知山市岩崎 八幡神社

手作り短歌集(九)に蒐集されている短歌を、11のカテゴリーに分類いたしました。

短歌集に掲載された228首の内、六番目のカテゴリー【家族】に分類した短歌(14首)を掲載いたします。

 

<義母の短歌>カテゴリー:家族(九)

#2382    子の眠り覚まさぬように鉦を打つ茶湯の奥の間冷え極まれり


#2412    作らざる玉ねぎ馬鈴薯土間に満ち鄙の人情厚く匂えり


#2420    正月の子等の帰省をひたすらに待つくすみし大黒柱とわたし


#2430    人の声聞かずに終る日の昏れに聞く蜩の今生の声


#2484    夏休み孫のナナハン玄関に守衛のごとくどっしり据る


#2486    子の呉れし回転椅子に身をゆだね窓越しにみる夏の後姿


#2496    「元気だと応えてくれるだけでいい携帯持って呉れよおふくろ」


#2502    仏間なき家に育ちし外孫の来訪一番上げる燈明


#2503    ぷりぷりに太れるひ孫抱く膝の痛みに堪えて温み愉しむ


#2529    竹馬の高きを操り坂ゆくが孫ならとても見ては居れまい


#2539    「お母ちゃん唯我独尊みたいやな」息子の声に操る広辞苑


#2540    聴き馴れしわが気に留めぬ夜狐の声に怯える街の孫達


#2551    「おばあちゃん」孫の電話が馳走なり何はなくとも夕餉が美味い


#2586    トタン屋根射るごと激しく轟きし雷鳴消えたる鄙の静けさ

 

<365人の生き方>

■殺人ゾウ 心を許した 飼育員

山川宏治  多摩動物公園主任飼育員   ゾウの花子が心を許した人)