義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#2276-2280 辛うじて・・・

福知山市三和町台頭 鴈掛神社

 

<義母の短歌>#2276-2280

#2276    辛うじて纏う心の綺羅さえや脱がせてしんと高き残月


#2277    春をなお暗く乾きて枝に垂るはじけなかった石榴の木乃伊


#2278    残りものあっさり捨てて洗う皿何もなかりしごとく光れり


#2279    どっぷりと人に甘えし覚えなく鴉のえんどうぐいぐい毟る


#2280    「十三年経てばほんまに仏やな」父の墓前にぼそりと息子

 

<管理人のおまけ>

綺羅(きら)

石榴(ざくろ

毟(むし)る

 

<365人の生き方>

■はづれまで一度ゆきたしと思ひゐしかの病院の長廊下かな・・石川啄木
■東海の小島の磯の白砂に我泣きぬれて蟹とたはむる・・石川啄木
■潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇(なす)よ今も咲けるや・・石川啄木
■幾山川越えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日も旅ゆく・・若山牧水
■けふもまた心の鉦をうち鳴らしうち鳴しつつあくがれて行く・・若山牧水
ロングフェロー(詩人)の「人生の詩篇
(長野安恒 声楽家  人生を変えた詩)