義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1191-1200 池の面に・・・

関西花の寺25ケ所 第12番 久安寺

 

<義母の短歌>#1191-1200

池の面に映る緑に戯れて遊ぶ金魚のことさら赤し


看取り人われに告知は秘められて癌にあらずときっぱり言いき


思春期に「欲しがりません勝つまでは」染められし思想いまだも褪せず


かくれんぼうの鬼のごとくにひとりなり岸を畑をゆきつ戻りつ


さまざまの屈折ありて陽の目みぬ切り岸に咲くどくだみの花


よじれつつ太れる藤のごとくにも容易く深めし皺にはあらず


何鳥か肩を掠めし驚きを変化となして今日を終らむ


積み置きし草は土にと還りいて摂理の妙の身に親しかり


見るは良し聞くもよし言わ猿になりきれずいて唇押える


黒揚羽バーベナ揺らして跳び立てり蝶には蝶の思惑ありなむ

 

<管理人のおまけ>

褪(あ)せず

容易(たやす)く

掠(かす)めし

還(かえ)り

黒揚羽(くろアゲハ)・・チョウ

 

<管理人のつぶやき>

■ダムの下 水がもぐる 愛知県