義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#1041-1050  群鳥の・・・

関西花の寺25ケ所 第11番 永澤寺

 

<義母の短歌>#1041-1050

群鳥の遠ざかる列たわみつつ指すひと方のそれぞれの宿

山を背に山に守らる谷ごとの吾が知る限りの聚落思えり

陽の差せば心ぞよめき戸の外の雪にやすらぐ農知る因果

待つことの無聊に倦みて取る受話器うしろめたかり刻盗人の

屑箱のスチールパックピシッと鳴る捨てられし憂さ吐き出すごとく

もろもろの思いはあれどかにかくに安けき老後賜びしを謝する

土乾けば先づ水仙の草とらんチュウリップの芽も笑い出したり

歌詠みの遊びと見ている眼差しにことさら明るく手を振りやれり

人様の思惑気にしてみしとても困った時の足しにはならぬ

人の傘足に触れしがきっかけの話し尽きずば去るにも去れず

 

<管理人のおまけ>

無聊(ぶりょう)・・退屈

倦(う)みて

かにかくに・・いろいろと

賜(たう)びし・・与えられる

 

<管理人のつぶやき>

■ゴキブリ君 おぬしこの世できらわれもの もって生まれた風貌なるに