義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#561-570 梅雨晴れの

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関西花の寺25ケ所 第4番 高源寺

 

<義母の短歌>#561-570

梅雨晴れの厳しき照りにしとどなる汗の短駆の影を歩ます


つづまりはひとりの家に安らぐと雑踏ゆ戻り湯桶に流す


音もなく降る雨のなか紫陽花の大きにかくれ人等うごめく


もの言わぬ人を肌えに抱く夢の醒めては冷たき腕のしびれ


午後往くと木株に置き来て雨の二日鎌と鋸の錆びておらんか


ささやかな木にささやかな実をつけて花咲き継げり伏見唐辛子


煌々と明かりをともす厨辺にとろり流れるカレーを掬う


人工の池に金魚の口あけて我が呟きを吸いてもぐりゆく


見舞われしことなき幸を思いつつ病院の扉見舞う為押す


折々に異なる唸り伝えくるこの扇風機二十五年経つ

 

<管理人のおまけ>

つづまりは・・結局は

伏見唐辛子(ふしみとうがらし)

煌々(こうこう)

厨辺(くりやべ)・・台所周り

 

<管理人のつぶやき>

■地蔵さん 福知山へは左かへ 右に向かへば迂回路かな

 

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