#541-550 皇太子・・・
<義母の短歌>#541-550
皇太子ご婚儀の午を墓に来て華やぎに遠くひとり草引く
柚子花に万匹の蜂群がりて羽音の唸り棒状に落つ
からすの芋鴉の豌豆からす瓜嫌な鴉に人らは近き
O型の貴方はけろり天国で酒もたばこも自由でしょうね
我を待つ家ありき戸口の親しさや崩るるごとく身を横たえる
気のおけぬ妹夫婦と汲む酒に纏うことなくいたく酔いたり
幼日は我にもありぬ草分けて野苺摘めばほろほろ濡れる
信楽の急須に新茶汲みをれどなにも変わらぬひとりの夕べ
雨の日は押し黙りいる術なさに開き初めたる紅百合の花
車より下りる足裏にかたつむり踏みたる触感曳きつつ歩む