義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#501-510 温風機・・・

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関西花の寺25ケ所 第4番 高源寺

 

<義母の短歌>#501-510

温風機切ればたちまち襲いくる寂涼に騒だつ耳底の声


籠るにもほとほと飽きて冬日素手のしびれるまでを草引く


一尺の糸も無駄なく使いたりし七十年を反古には出来ず


腹筋の躍動おろかこみあげるこんな笑いが残っていたか


ゆくときの歩幅が示す衰えを見乍ら戻る雪の坂道

 

Uターンの中学生がひとりゆく自転車の背に揺れる反骨


今日街へ出でてゆかんか書読むかパン焼くしばしの小さき惑い


哀れあわれと覗く鳥もなし長閑けくも炬燵にまどろみ醒めぬ


自転車の空気はいつも抜けている納屋に置かれる古き分身


掛け違いしボタンひとつのずれを知る「しらがに籾」の身に滲む齢

 

<管理人のおまけ>

騒(さわ)だつ

覗(のぞ)く

長閑(のどか)

醒(さ)めぬ

滲(にじ)む

 

<管理人のつぶやき>

■梅一花 今日のウオーク正暦寺

由良川で 若者一人ボート漕ぐ

 

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ウオーキングコース(綾部大本教周辺 5.7km 7900歩)

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■梅一花 今日のウオーク正暦寺