#501-510 温風機・・・
<義母の短歌>#501-510
温風機切ればたちまち襲いくる寂涼に騒だつ耳底の声
籠るにもほとほと飽きて冬日中素手のしびれるまでを草引く
一尺の糸も無駄なく使いたりし七十年を反古には出来ず
腹筋の躍動おろかこみあげるこんな笑いが残っていたか
ゆくときの歩幅が示す衰えを見乍ら戻る雪の坂道
Uターンの中学生がひとりゆく自転車の背に揺れる反骨
今日街へ出でてゆかんか書読むかパン焼くしばしの小さき惑い
哀れあわれと覗く鳥もなし長閑けくも炬燵にまどろみ醒めぬ
自転車の空気はいつも抜けている納屋に置かれる古き分身
掛け違いしボタンひとつのずれを知る「しらがに籾」の身に滲む齢
<管理人のおまけ>
騒(さわ)だつ
覗(のぞ)く
長閑(のどか)
醒(さ)めぬ
滲(にじ)む
<管理人のつぶやき>
■梅一花 今日のウオーク正暦寺
■由良川で 若者一人ボート漕ぐ
■梅一花 今日のウオーク正暦寺