義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#481-490 眺めやる・・・

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関西花の寺25ケ所 第4番 高源寺

 

<義母の短歌>#481-490

眺めやる峰のたたずみ唯ひそか四季を描きて彩は移ろう


堆く掻き寄するわくら葉灰にして土に還さん緑にかえれ


外灯を透かしてみれば尚寒し闇に細かき雪降り止まず


月の径何やら駆けくる気配して動かず佇てり地の風の音


班陽の庭石に揺れ風寒し人も揺れいて足早に過ぐ


古ゆ蒼き流れに研がれ来て角ある岩の見えぬ二瀬川


金銀をかすめて帰路の一服に鬼も此の水汲みしと思う


此の路を鬼駆け下りしかゆく先の渓深くして茶店など無し


茶はゆるりと呑むべかりけり九十まで在りて座しいし父も然りき


茄子の葉もて繭を繰り糸を引く古きを辿る刻をいとしむ

 

<管理人のおまけ>
堆(うずたか)く
径(けい、みち)
班陽(まだらび?)
辿(たど)る
 
<管理人のつぶやき>
■3日目は ほぼ平常に戻りけり