義母の短歌

98歳で永眠した義母が書き残した短歌です

#421-432  草木みな・・・

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関西花の寺25ケ所 第4番 高源寺 御朱印

 

<Top写真>
今日から写真を関西花の寺25ケ所 第4番高源寺とします。
公式ホームページは、http://www.kougenji-tanba.or.jp/ をご覧ください。

 

<義母の短歌>#421-432

草木みな朽ちるにあらで葉を落とす目覚めて欲しき人の幾たり


子の帰路の景色浮かべ刻はかり車の音の度に顔上ぐ


案ずるなと言葉に出さず子に伝え澄ましてかむる赤茶のベレー


訪う人の指かと思う友が家の玻りに映れる笹の葉の揺れ


我が涙こぼれる間は生きていて欲しと子はいたわりを熱く伝える


我が頭上一尺高き子の声が星の名称語りくれいる


人波のあふれて孤独の街中をよるべなき身の如く歩めり


鉛筆と辞書に便箋反古などがもっとも我に近く住みいる


そそがれし数多のひとの労の跡皺さえ寄らぬ新聞を束ねる


吹き溜まる溝のわくら葉はや朽ちて裏庭さぶし冬の翳さす


子や孫の集う新春故目出度しと漬け物大根洗い干しゆく


ありきたりの賀状したため添書きにひとりひとりの面影浮かべて

 

<管理人のおまけ>
あらで・・ないで
玻り(はり)

翳(かげ)