カテゴリー:家族(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、8番目に多く(17首)含まれるカテゴリー【家族】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:家族(三)>
#752 「死んだなら俺は泣くぞ」とエンジンの音に紛れる息子の言葉
#754 なりゆきのままに育ちし子に守られて母と言う名の濁るともなし
#815 他人事のごとく聴きおり子が街に定住なすとう事後報告を
#861 いま少し歯に衣きせて物言えと所帯盛りの子が諭す
#862 しみじみと恋しかりけり父母ありてはらから幼く囲みし夕餉
#912 言わずとも聞かずとも通じ合う心血は水よりもまさに濃ゆかり
#922 わがたつる音にはあらぬ厨事一泊の娘ねぎきざみいる
#944 ひと組の息子の肌着まず洗う古き女の心のしきたり
#955 技術なき母の干したる塩鰯その味もてるを売る店はなし
#958 在りし日の母にかけざりし愛隣の言葉愚かに呟きいたり
#963 とめどなき追想にいて旅立てば真先に母を探さむと思う
#971 長の子のわれを愛ぐしと祖父母父母寝かせも置かず抱きしと聴けり
#972 大往生の際にわが名を呼びしとう父の手に成る書を軸となす
#976 寝言言う息子の夢のはかれずも幼なかるべしここは故里
#977 三人子と同じ高さに生きているこの自負終まで持たねばならぬ
#980 離れ住めど心は近き子と思う電話の声のややに湿りて
<管理人のつぶやき>
■真夏日に クーラ無しでも楽しめる 今日は健康マージャンの日
カテゴリー:独り・老い(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、7番目に多く(18首)含まれるカテゴリー【独り・老い】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:独り・老い(三)>
#744 湯上がりのビールに重き瞼閉ず晒す胸処に出ずる泪は
#755 なにがなし吊るす浴衣の幾夜経つ着ることもなし丸寝のひとり
#766 ささやかな吾が喰い扶持を守りいつ時折の音冷蔵庫唸る
#773 孤に棲める影をゆらりと夜半起たせ舌に沁みいる魔の水を酌む
#774 声曳かず鴉啼くだにうら寒し新春をひとりの畳の広さ
#775 言うなればひとりに慣るる気易さに音なき家ぬちに命貪る
#781 夜半の水のみど貫く冷たさを寂しむまでは考えるまじ
#782 悲しみの塊のような芥袋固く結えて火中に投ず
#807 庇はれていると言えどもひとりなり柚子の裂け枝ギシギシと挽く
#883 回覧板まわす隣家に営みの構図のごとき掃除機の音
#884 谺なす犬の遠吠え尾を曳きて気寒き夜半の耳に届けり
#932 寝て起きていずれひとりの心の臟胃の腑を促し厨に立たしむ
#933 幽明の境をながく彷徨える老い否看取りの友に泪す
#951 被保護者とならぬ終焉迎えたき願望はあり結果は知らず
#974 気が付けばひと日電話の一本もなかりしことの俄に侘し
#1005 ひとり居をいたわる旅の誘いあり忝のう聴き丁寧に断る
#1008 花の芽を吾が子のごとくいつくしむひとりと言うはやはり侘しき
#1012 闇受けるかたちの三日月冷ややかに人の孤独を見透かしいたり
<管理人のつぶやき>
■シカ君よ どうしてくれる今年のアジサイ 花がついたは去年の一割
カテゴリー:風景・景色(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、6番目に多く(21首)含まれるカテゴリー【風景・景色】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:風景・景色(三)>
#727 物体のごとく伸びいる脚四本工夫は午を深く眠れり
#786 平らかにあらぬ流れの岩を打つ白き飛沫を見て飽かぬかも
#800 律儀なる季節の流れに操られロボットのごと女茶を摘む
#805 高速路設置の赤杭鮮やかに墓地に打たれてむら肝冷ゆる
#817 息ひとつ吐く間のいのち雨露の生れ継ぐ端よりしたたり止まず
#818 水暗き瀬音に向きてぬかぼたる曳きゆくひかりの心許なき
#819 崩え株の猿の腰掛けしんねりと暗く冷たく日陰に太る
#827 右ゆくか左ゆかんかたちどまり流れてやまぬ川を見下ろす
#828 乾ききる蝉のなきがら地に揺れて枯れ葉のごとし欝もなからむ
#858 此の道はいすべ指す道山に向きブルトーザーの猛りたつ音
#864 梅ヶ枝に山繭ひとつさびしらに揺れて池の面くれはじめなり
#866 累々と積まれし芥の収集場くらしの抜けがらガサッと音たつ
#870 空を這う夜間飛行の音なき灯星に紛れていずく指すなる
#887 牙のなき象のごとしも急坂のカーブにバスの巨体現る
#898 窓際の席を選びしまなかいに華には遠き枯れ野流るる
#899 芒原に打ち捨てらるる乗用車赤き車体の華ある滅び
#900 ちんまりと一輛編成のディーゼル車急行尻目に乗客群がる
#901 山住のまなこを洗う波頭浜に届かむ際を砕ける
#902 波被く沖の小島の二つ三つともる灯もなく闇に沈みぬ
#903 トンネルを抜けるとそこは雪国と小説もどきの奇声を上げる
#996 丹波丹後の境の峠の地蔵様瓦の屋根が温とうみゆる
<管理人のつぶやき>
■家電品 品薄状況始まった
カテゴリ:人・子供(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、5番目に多く(24首)含まれるカテゴリー【人・子供】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:人・子供(三)>
#729 観光バスに調子外れの歌唱う男の心本日晴天
#733 酔う人の足に程よき月明かり濁声ともに影吸われゆく
#737 目を凝らす闇にうつそみ抜けいでて紡徨う魂か蛍光妖し
#740 人群れを吐き出すラッシュのバス停に夕餉気にする主婦等の早口
#742 水槽に額押しつける髭男魚のほ頬桁が笑ったような
#788 稀れまれにも揺らすものなき山里のブランコ地まで垂れて幾とせ
#792 木瓜の棘指にするどし大切な人病み給う痛みを刳る
#816 飢え叫ぶ獣のごとくバイク音闇貫けり何昂ぶれる
#822 見えぬ目の視線のずれを吾が受けて濁れる泪に言葉を失う
#835 乱醸に「越の寒梅」味落ちしと酒豪は言えり驕れる嘆き
#841 感情の脱皮なすがに泣き喚く幼なを黙らす蜻蛉のまぐわい
#844 ためらいてひとりし入るレストラン対の椅子に見えぬ人置く
#880 子は傍に深く眠れり語らいのなにとしなくも互みに足りて
#885 打てばひびく会話に足りて帰るさの目に写るものなべてやさしき
#886 幼子の泣き声さえや尊かり老いゆく里の昼の閑寂
#897 突風に吹き上げらるる病葉か立ち退き止むなきホームレス達
#909 糧詰める袋両手に主婦どちの総身にくらしの力漲る
#938 元総理の尤もきびしき貌をみき眉毛の奥の無念のまなこ
#946 異なれるくらしの琴腺ふとゆらぎ友が立ち居のもろもろの音
#950 ドラマいずれも創作なればヒロインの終末せめてやさしくあれ
#966 市場には受け入れられぬ疵りんご辻に売りいる鉢巻き男
#967 偉大なる芸人「横山やすし」の葬襤褄の終の華盛んなり
#990 出でし野の日照雨に濡れし心地なる電話の向こうの人忙しくて
#999 北狐の子別れの話聞き留めぬ歌の師もまた還り来まさず
<管理人のつぶやき>
■父の日に 肩こりにきくとマグネット
カテゴリー:暮らし・田舎(三)
手作り短歌集(三)に蒐集されている短歌を、12のカテゴリーに分類いたしました。
短歌集に掲載された308首の内、4番目に多く(24首)含まれるカテゴリー【暮らし・田舎】に分類した短歌を掲載いたします。
<義母の短歌 カテゴリー:暮らし・田舎(三)>
#738 手袋の指先ひと日に破けたる欺く脆きものを軍手と呼べり
#739 ボロ切れになるとも土に還れざる鍬にかかりしビニールとべり
#741 焼石にも水沁むときのあらんかと衰へ知らぬ雑草に挑む
#760 栗拾う耳に記憶の甦る脱穀の音盛んなる昼
#768 もう跳べぬ翅へなへなと打ち叩く蝶のめぐりの草引き残す
#771 物置に仕舞うと積みて三日経つダンボールぐらりとも歩いては呉れぬ
#787 見の限り人影のなき野を渉り電動鋸に木を挽く聴こゆ
#789 飛行音消ぬれば戻る静けさの夜空は蒼き一枚の布
#791 行き止まりの聚落昼を眠るがの空気ゆさぶる乳牛の声
#799 雨溜める空うつうつと藪陰に小さき棟の上る槌音
#804 連休に植えられるべく水張田の粛としひかる峡のくれ昏れ
#806 ひっそりと竹の子ゆがけり村用に不参の昼を落伍者のごと
#849 年毎に祭り太鼓の音細り過疎の深みに里は病むなり
#857 雑音も雑踏もなき里住みに慣れて飛翔の夢うすれゆく
#859 穫り入れの終わりし峡田さむざむと実ることなきひこ生えの揺れ
#865 たまに来て山の空気が美味しなど三日在せし後なら聴かめ
#872 耕して土なる色を取り戻すひといろにしてこのやさしさは
#873 隠れ棲むごとくひっそり墓地浄め翳りそめたる野の怪戻る
#960 いずくにか釘打つ音ののどかなり今日日曜日の光り燦々
#962 府道逸れ余剰のごとき峽路来て胸はり言わん此処が吾が里
#968 「村おこし」意気まく声も聴かずなり柱と頼む人等も老いぬ
#970 視ゆるもの向こう山のみ目を凝らせば裸木ほんのり紅さし初むる
#1015 非農家の方はこれでと許されて喜ぶべきか集会の戻り
#1016 賽銭を投げよとのらす神はなし賽銭なくば盗みもあらじ
<管理人のつぶやき>
■本を読む 面白かった 久しぶり 浅田次郎の 「黒書院の六兵衛」